任期満了に伴う小松島市長選が告示され、現職の浜田保徳氏が無投票で再選された。

 無風となったのは、前市長が再選された前々回の2009年以来、8年ぶりだ。

 一部に出馬の動きがあったものの、具体化しなかった。1期4年間の浜田市政を評価する機会が失われたのは残念である。

 浜田氏は前回、長年にわたる菌床シイタケ生産会社の経営経験を生かした効率的な行政運営を行うと訴え、初当選した。

 今回無投票となったのは、目立った失政がなかったことが大きいとみられる。無難に市政を進めた浜田氏だが、培った経営手腕を十分に発揮したとは言い難い。

 2期目に向けては「安全・安心なまちづくり」「快適な暮らしづくり」などを掲げた。約束を果たすため、次の4年間は先進的な施策に積極的に挑んでもらいたい。

 小松島市は一時、企業の倒産に当たる財政再建団体に陥る危機的状況にあったが、非常事態を宣言した前市長が厳しい歳出カットを断行し、累積赤字の解消に成功した。

 それを受けた浜田氏が心掛けたのが、財政の健全性を保ちながら選択と集中で市の課題に当たることだった。

 就任2年目の14年度から、予算を緊縮型から積極型に転じ、財政難で踏み切れなかった大型事業に手を付けた。

 最も優先されるのが防災対策である。市の約7割は平野部で、ほとんどが津波浸水区域に想定されているためだ。

 昨年8月には、和田島地区に盛り土式の避難施設「希望の丘」(通称・命山(いのちやま))ができた。高台がなく、川や用水に囲まれた地域にとっては、待望の人工高台である。

 同様の地域は多く、避難タワーや山への避難路整備、建物の耐震化など、やるべき事業はたくさんある。今後も着実に進めなければならない。

 少子化が止まらない中、学校再編も課題だ。中学校は昨年春、立江中と坂野中を統合した小松島南中が開校した。

 小学校は11校を5校に再編する方針だが、学校の灯が消えることへの住民の不安は大きい。賛否が分かれているだけに、十分に対話を重ねる必要がある。

 15年春に事業を廃止し、徳島バスに移譲した旧市営バスの路線、便数をどう維持していくか。老朽化が著しい競輪場の改修も急がれる。

 独自の事業では、阿南高専と連携して取り組む竹粉の有効活用が注目される。放置竹林の解消と地場産業の育成を狙い、竹粉を肥料や飼料に加工して販売する計画だ。

 昨年11月に実証実験を始め、バイオマス燃料としての可能性も視野に入れている。ぜひ成功させてほしい試みである。

 浜田氏は2期目に当たり、4年前と同じ「新生小松島」のキャッチフレーズを掲げた。真価が問われるのは、まさにこれからだ。「新生」小松島を見せてもらいたい。