経営の基盤強化と効率化を図り、攻めの農業を構築するには、体制づくりが急務だ。

 徳島県内15JAと徳島中央会、全農とくしまなど関係団体の一本化に向けた動きが本格化する。

 2019年4月の統合実現に向け、JAグループ徳島は1JA化の基本構想を決定した。1JAは既に島根、香川など4県で導入されている。多くの県で検討されており、全国的な流れといえる。

 全JAが一体となって、強い組織にしていかなければならない。

 JA統合を推し進めるきっかけにもなった環太平洋連携協定(TPP)は、トランプ米大統領の就任で立ち消えとなりそうだ。とはいえ、県内農業を取り巻く危機的な状況に変わりはない。

 農林水産省などが発表した農林業センサスによると、15年の県内の農業就業人口は3万150人と、25年前に比べて半減した。平均年齢は66・8歳で、65歳以上が占める割合は64・0%にも上る。

 全国平均よりも早く高齢化が進む本県にとって、担い手不足は極めて深刻である。このままでは生き残りは難しいだろう。農家の所得向上をいかに図り、後継者をどう育てていくのか。

 JAグループは、統合によるスケールメリットを生かして、競争力を高めていく重い責任がある。

 基本構想では、統合後は徳島中央会や全農とくしまなどの機能を引き継ぐ本店と、15の地区本部が中心となる。

 地区本部は現在の15JAの管轄エリアに設置され、独立採算制で事業展開していく。実質的にそれぞれのJAの経営権を残す形にする。

 統合の手法を巡っては、経営権を中央に集約することも考えられた。だが、これでは経営力があって単独でもやっていける有力JAの賛同が見込めない恐れがある。

 早期の統合を実現させるため、多くのJAに受け入れられやすい現実的な選択だったといえよう。

 その一方で、各JAが組織替えする地区本部が独立採算で運営するのであれば、従来の体制と何が違うのかという疑問が生じる。さらに独立採算制のため、地区本部の規模や有力産品の有無による格差が現状と変わらないと懸念する声もある。再編に対する不安や抵抗も出てこよう。

 JAグループは、独立採算は維持しながらも、経営が芳しくない地区本部に対しては、本店が指導し改善を図るという。

 今月から、各JAの組合員に向けた基本構想の説明会が始まる。JAは農家のための組織というのが大前提である。丁寧な説明で、組合員の不安を払拭(ふっしょく)し、統合の意義について理解が得られるよう努めることが大事だ。

 県内では01年にも1JA化を目指す動きがあったものの、一部の反対で頓挫した経緯がある。同じ轍(てつ)を踏んではならない。