平成も31年、今や平成生まれが企業を率い、舞台の主役というのはさほど珍しいことではない。大相撲の世界もそう。平成を締めくくる春場所、幕内力士42人中、平成生まれは24人を占めていた

 その代表格は関脇貴景勝だろう。全勝優勝を飾った昭和生まれの横綱白鵬も、一回り年下の貴景勝を大いに意識していたに違いない。11日目の取組がそれを物語る。正面からぶつかり、突き、押しを繰り出す貴景勝を、白鵬が激しく攻め、最後は上手投げで転がした

 大横綱の貫禄が、台頭著しい平成の新鋭の大きな「壁」となって立ちはだかった一番である。平成という時代に育てられたとの思いが強い白鵬には、次の時代に育てられるのは平成生まれの君たちだ、との期待もあったかもしれない

 千秋楽から一夜明けたきのう、貴景勝について、こう語っている。「厳しい目で見れば、押し一本では(足りない)。それなりに四つ相撲を覚えないといけない」

 覚えるためには、やはり稽古しかない。稽古に神変ありという。ひたすら稽古すれば、能力以上に上達するものだ。そんな境地に達してもらいたい、との思いが伝わってくるようだ

 稀勢の里の引退で寂しくなりかけた土俵を盛り上げた貴景勝。気の早い話だが、大関に昇進して迎える改元後の来場所でも、真っ向勝負で沸かせてほしい。