北朝鮮がきのう、東岸の新浦(シンポ)付近から北東方向に弾道ミサイル1発を発射した。約60キロ飛行し、日本海に落下したとみられる。

 米太平洋軍は、新型中距離弾道ミサイル「KN15」と推定。日本と韓国の防衛当局者は、北朝鮮が潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を陸上発射型に転用して開発を進めている「北極星2」か、その改良型とみている。

 いずれにせよ、即時発射を可能にする新型ミサイルが実戦配備されれば、日本の安全保障の重大な脅威になるだけに、到底看過できない。

 国連安全保障理事会決議に違反し、東アジアの平和と安定を脅かすものだ。度重なる愚行を強く非難する。

 北朝鮮は先月6日、北西部東倉里(トンチャンリ)から中距離「スカッドER」4発を同時発射し、うち3発が秋田県沖の日本の排他的経済水域に落ちた。同22日には、東部元山(ウォンサン)付近から中距離「ムスダン」とみられるミサイルを発射し、失敗している。

 米本土を標的に入れた大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験も最終段階に入ったとしており、ミサイル開発に突き進む姿勢を改めて国際社会に示したといえる。

 北朝鮮は今月11日、国会に当たる最高人民会議を開くほか、25日に朝鮮人民軍創建85年を迎える。そうした政治日程に合わせ、再び核実験を強行するなど新たな挑発行動に出る恐れもある。

 今回の発射で北朝鮮が強く迫りたかったのは、米国の政策転換だろう。

 きょうから行われる米中首脳会談の主要議題の一つは、北朝鮮の核・ミサイル開発問題である。

 トランプ米政権は、北朝鮮が自ら核開発を放棄するのを待つとしてきたオバマ前政権の「戦略的忍耐」政策を批判し、軍事力行使や体制転換などあらゆる選択肢を排除しないとしている。

 トランプ氏は、中国に対して「北朝鮮への影響力行使が不十分」との認識を繰り返し表明。北朝鮮にミサイル関連物資を供給したなどとして、中国企業への制裁を発動しており、中国に圧力を加えながら協力を引き出す構えだ。

 中国が反対している米軍の最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の韓国配備についても、同盟国防衛の立場を強調することになろう。

 一方の中国側は、北朝鮮に核開発の停止を求め、米韓には大規模軍事演習の停止を提案してきたが、いずれも受け入れられる気配はない。こうした中、米国の強硬な姿勢に危機感を抱いている。

 問われているのは、朝鮮半島情勢の緊張をどう緩和するかである。武力行使に至ることになれば、日本をはじめ、アジア太平洋地域が多大な影響を被るのは必至だ。

 北朝鮮問題は、米中の連携を抜きにしては解決しない。会談で最悪の事態を避ける方策を探ってもらいたい。