1946年4月に女性が初めて参政権を行使し、70年余りがたつ。ところが、国会も地方議会も、女性議員は際立って少ない。これが正常な議会の在り方と言えようか。

 ここに来て、ようやく女性議員を増やそうとする「政治分野における男女共同参画推進法案」が国会で議論されている。政治参画を後押しする初めての法整備であり、ぜひとも成立させたい。

 衆院選、参院選、地方議会議員選について、政党や政治団体は男女の候補者数ができる限り均等となることを目指すと明記した。男女別の候補者数の目標を定めるなど自主的な取り組みを求めている。

 国や地方自治体には、必要な施策を策定し、実施するよう努力を促すものだ。

 法案審議を通じて、女性が政治に進出しにくい問題点などをしっかりと掘り下げる必要がある。

 法案を巡っては、男女の候補者数について「できる限り同数」としていた民進党が、「均等」と表現を緩めた自公両党などの案に歩み寄ったため、超党派による議員立法として成立する公算が高まっている。

 ただ、法案は禁止規定や罰則のない理念法にとどまっており、政党などへの強制力がない。現実に女性議員を増やせるかどうかは、政党の判断次第となる。実効性という点で課題は残るものの、法案が可決されれば女性のチャンスが広がることになり、一歩前進といえる。

 現在、衆院議員に占める女性の割合は9・3%、参院でも20・7%にとどまる。列国議会同盟が、一院制の議会または下院(日本は衆院)の女性議員比率をまとめた昨年の報告書によると、193カ国中の順位で日本は163位だった。主要国の中でも最下位という状況だ。

 既に各国では、候補者や議席の一定割合を女性に割り当てる「クオータ制」を導入し、その数は80カ国に上る。

 クオータ制の発祥とされるノルウェーでは40%近くまで引き上がっている。日本も、世界水準に追い付くため、いずれ政党などによるクオータ制の導入が求められよう。

 本県の県議会、市議会、町村議会議員の平均女性比率は全て10%に満たず(2014年末時点)、全国平均を下回っている。女性がゼロの議会さえある。

 その背景には、性別による古くからの役割分担が定着する地域社会の慣習がある。女性が出馬を目指しても反対される場合も少なくない。

 候補者の育成とともに、議員活動と育児などの両立といった環境整備が急がれる。

 介護や認知症、待機児童など、暮らしに直結する課題が山積する中で、女性が少ない議会では多様な価値や民意を反映しているとは言えない。

 安倍政権は、女性の活躍推進を掲げ、指導的地位の女性を20年までに30%にするとしている。目標を見える形にしなければならない。