トランプ米大統領と習近平中国国家主席の初の首脳会談が、米国で行われた。

 最大の焦点となったのは、核・ミサイル技術を着々と高めている北朝鮮にどう対処するかである。

 両氏は、北朝鮮の核開発が「深刻な段階に達した」との認識で一致した。しかし、具体的な圧力強化策で合意できず、協調を演出するにとどまったのは残念だ。

 会談では両国の立場や思惑の違いも浮き彫りになったが、朝鮮半島を巡る情勢は切迫している。

 米中は共に北朝鮮に大きな影響力を持ち、アジア太平洋地域の平和と安定に重い責任を担う大国である。利害を乗り越え、核開発を放棄させるための有効な措置を早急に打ち出すべきだ。

 会談で、トランプ氏は「中国の協力が得られなければ、独自の方策を立てる用意がある」とし、北朝鮮を厳しく締め付けるよう迫ったという。

 その上で、国連安全保障理事会の制裁決議の履行徹底や、北朝鮮への石油禁輸などを求めたとみられる。

 習氏は、これに前向きな姿勢を示さなかったようだ。

 中国は制裁の履行を怠っているとの批判を受けて、今年2月、北朝鮮の主要な外貨獲得源である石炭の輸入を禁止した。加えて、石油供給を止めれば北朝鮮が反発するのは必至で、暴走した際には中国が多大な影響を受けるという認識がある。

 北朝鮮を敵に回したくない中国が望むのは、米朝の対話である。

 だが、それは困難だろう。北朝鮮は米朝や多国間の合意を何度も破ってきた。核放棄が対話の前提だとの姿勢は譲れまい。

 そうした中、気掛かりなのは、トランプ氏が米独自の行動を示唆したことだ。

 米国は首脳会談のさなかに、シリアの空軍基地をミサイル攻撃した。単独での武力行使を辞さないという強硬な意思を見せつけたものだが、弾道ミサイルを持つ北朝鮮を攻撃すれば、韓国や日本が大きな被害を受ける恐れがある。そんな事態は何としても避けなければならない。

 米国の警告を受けて、北朝鮮が挑発行為を控えるのか、逆にエスカレートさせるのか。出方を見極め、慎重に行動することが大切である。

 米中の貿易不均衡問題では、解決に向けた「100日計画」を策定することで合意した。

 トランプ氏は、対中貿易赤字を減らして米国の雇用を増やしたい考えだ。習氏は、輸出や投資に依存する経済から、内需主導への転換を目指している。思惑は一致していると言えよう。

 外交・安全保障、経済など4分野で、新たな対話の枠組みを設けることも決まった。

 二大国が意思疎通を密にするのは重要なことだ。北朝鮮や東・南シナ海問題など、懸案の解決に向けて十分に機能させてもらいたい。