東芝は経営再建に向けたハードルを越えられるのだろうか。

 巨額の赤字を生んだ米原発子会社ウェスチングハウス・エレクトリック(WH)が、連邦破産法11条の適用を申請した。

 WHの破綻処理により最大の懸案は決着したが、東芝は損失処理を迫られる。

 2017年3月期連結決算の純損益は1兆100億円の赤字になる見通しだ。債務超過額は6200億円に上る。

 問題は、試算で1兆円に上る資金調達である。

 東芝は、記憶媒体「フラッシュメモリー」などの半導体事業を分社化した「東芝メモリ」の株式を売却し資金を捻出する。

 しかし、軍事分野にも使われる半導体の技術流出は避けなければならない。政府は売却先が中国や台湾勢になった場合は、外為法に基づき中止や見直しを勧告する検討を始めた。株式売却が順調に進むかは不透明だ。

 東芝が2度にわたって延期した16年4~12月期連結決算の発表期限も11日に迫るが、期限を守れないのではないかという疑念が生じている。

 WHの損失処理を巡り、監査法人との調整がつかないからだ。法人はWHの幹部が米原発での損失を圧縮するよう「不適切なプレッシャー」をかけた事実を問題視する。過去の決算にも同様の不正疑惑があるとの理由で調査範囲を拡大し、結論が見えない状態だという。

 期限の再再延期を関東財務局に申請する事態になれば市場の動揺は必至だ。東芝はあらゆる手だてを尽くしてもらいたい。