謝って済む問題ではない。今村雅弘復興相の大臣としての資質が疑われているのだ。

 「どうするかは本人の責任、判断だ」。東京電力福島第1原発事故で避難区域外から自主避難し、3月末で住宅支援を打ち切られた人たちに関する記者会見での発言だ。

 国の責任を問う質問に今村氏は「裁判でも何でもやればいい」と言い放った。

 これが復興を担う大臣の言葉だろうか。被災者に寄り添う気持ちは全く感じられない。自主避難者が反発するのは当然だ。

 福島県は3月末、原発事故の後、避難区域外からの自主避難者に行っていた住宅無償提供の支援を打ち切った。対象は1万524世帯、2万6601人に及ぶ。除染が進み、古里への帰還を促すのが狙いだ。

 だが、今もなお放射線への不安を抱く避難者は多い。

 福島原発事故は、国が進めた原発政策の延長線上にある。事故がなければ、避難する必要がどこにあろう。復興相はもっと親身になるべきだ。

 今村氏は国会で「『自己責任』という言葉の使い方が良くなかった」などと陳謝し、辞任しない考えを示した。

 被災者らの信頼がなければ、復興相としての十分な務めは果たせまい。

 安倍晋三首相は、今村氏の辞任は必要ないとの考えのようだが、自らの任命責任をどう認識しているのか。

 閣僚の言葉の端々から政権の本音が漏れ出ているように思われてならない。数に溺れず、謙虚で国民目線の政治を求める。