50歳まで一度も結婚したことがない人の割合を示した「生涯未婚率」の上昇に歯止めがかからない。
 
 国立社会保障・人口問題研究所による調査で、2015年の生涯未婚率は男性が23・37%、女性が14・06%に達し、男女とも過去最高を更新した。これは男性の4人に1人、女性の7人に1人が「生涯未婚」の状況にあるということだ。

 徳島県も例外ではない。15年の生涯未婚率は男性が22・10%、女性が13・23%。前回調査の10年より男女とも4ポイント以上増加し、過去最高を更新している。

 生涯未婚率は今後も上昇を続ける見通しだ。35年には男性が29%、女性が19%に達するとみられている。

 以前に比べて結婚に対する社会的圧力がなくなり、一生独身という生き方を選ぶ人も増えていくだろう。急速に進む少子化と人口減の背景に、若者らの「結婚離れ」があることは、改めて認識しておく必要がある。

 もとより、出生率の回復や人口維持を目的に、結婚を推奨したり、迫ったりすることは、価値観やライフスタイルの押しつけであり、成熟社会にはなじまない。

 ただ、昨年公表された別の調査では、18~34歳の未婚者のうち「いずれは結婚して家庭を築きたい」と考えている人が男女とも9割近くに上った。であれば、結婚を希望する独身者の前に立ちはだかる障壁を取り除くのは、社会全体の責任だろう。

 中でも真剣に考えなければならないのは、雇用の不安定化に伴う経済的な理由で、結婚をためらう若い男女の存在だ。仕事が忙しく異性と出会う時間がない状況を改善していくのも重要である。

 本人の努力だけで克服できない環境は、早急に見直すべきだ。非正規労働者の処遇改善や長時間労働の解消、ワーク・ライフ・バランス(仕事と暮らしの両立)の推進を加速させたい。

 一方、生涯未婚者の増加は将来の社会保障の在り方に大きな影響を及ぼすことも忘れてはならない。

 親などと同居している40代後半の未婚者は、1985年で100人に1人だったのに対し、2015年は13人に急増している。老後に身寄りがない独身男女の増加は避けられない見通しだ。国や自治体は、家族というセーフティーネット(安全網)に依存しない社会保障の在り方を検討してもらいたい。

 政府が婚活支援に本腰を入れ始めたのを受け、参加者が共同で課題料理に取り組む「クッキング合コン」や、僧侶が男女の仲を取り持つ「寺コン」など、ユニークな取り組みが広がりつつある。

 徳島県も昨年夏に婚活支援の拠点を整備し、開設から半年で51組のカップルを誕生させている。今後も、出会いを求める独身者が気軽に参加できる環境づくりに知恵を絞ってほしい。