選抜高校野球大会1回戦で徳島県の富岡西が東海代表の東邦(愛知県)と対戦し、1―3で惜敗した。

 本県勢が選抜大会に出場したのは2014年の池田以来、5年ぶりである。勝利はならなかったものの、強豪相手に一歩も引かない堂々とした試合運びを見せてくれた。健闘に大きな拍手を送りたい。

 エース浮橋幸太投手の投球は見事だった。ピンチにも動じることなく、打率3割8分6厘と出場32校でトップを誇る東邦打線を、単打ばかりの9安打に抑えた。積み重ねてきた練習のたまものだろう。

 攻撃で光ったのは、木村頼知選手が一塁線に放ったタイムリーだ。2度の満塁のチャンスで快音を響かせられなかったのは残念だが、どの選手からも熱い闘志が伝わってきた。

 富岡西は、戦力以外の要素も加味した21世紀枠で選抜された。だが、昨年秋の四国大会で高知の2位校、愛媛の優勝校を破ったように、その実力は他校に劣らないものだった。

 選手たちが自分で考え、状況を判断する「ノーサイン野球」の良さは甲子園でも生かされた。グラウンドを他部と共用するなど、限られた練習環境の中、工夫を重ねて成果を出してきたことも特筆されよう。

 1900年の創部から実に120年目の甲子園初出場は、同校OBはもちろん、ゆかりのある人たちを歓喜に包んだ。

 「野球のまち」阿南に新たな歴史を刻んだ富岡西である。この経験を糧に、さらにチーム力を高めてもらいたい。