衆院選挙区画定審議会(区割り審)が、小選挙区定数を「0増6減」し、「1票の格差」を是正する区割り改定案を安倍晋三首相に勧告した。

 改定は、定数1減対象の6県を含む19都道府県の97選挙区に及ぶ。2015年国勢調査人口に加え、20年の見込み人口でも1票の最大格差を2倍未満に抑えられるという。

 政府は、5月の大型連休後にも勧告を反映した公選法改正案を国会に提出し、成立を目指す。7月ごろ新たな区割りが施行される見通しだ。

 格差是正は急ぐ必要がある。改定案は応急的な措置として、やむを得ないものだ。

 しかし、地方は人口減少が進み、都市部への流出が止まらない。地方の声が国政に届きにくい状況を変えていかなければならない。

 今回の改定対象は、過去最大となる。影響を受ける住民に対して、新たな区割りを十分に周知することが重要だ。

 改定は、有権者の混乱を招き、政治離れにもつながる。さらに、分割は選挙の円滑運営を妨げよう。改定対象の選挙区を抱える知事からは切実な意見が多く出ている。

 改定作業では、各選挙区の人口データのほか、自治体間の歴史的なつながりや交通事情、住民の生活圏なども考慮に入れたという。それでも、投票率の低下や無投票の増加などが懸念される。

 選挙制度の抜本的な改革は至上命題である。政府と国会には、その責務があるのを改めて肝に銘じてもらいたい。