徳島県内最大級のショッピングセンター(SC)の誕生である。

 流通大手イオンが徳島市南末広町に建設した「イオンモール徳島」が、グランドオープンした。

 新たな商業施設ができたことには、周辺地域はもちろん、近隣市町村にも歓迎する人が多いだろう。

 競合するSCや小売店の危機感は強いが、伸び悩んでいる消費を刺激するとの期待も大きい。それぞれの強みを生かしながら、共存共栄を図ることが大切だ。

 イオンモール徳島は鉄骨6階建て、延べ約11万6600平方メートル、売り場面積は約5万平方メートルに上る。

 店舗は、食料品や雑貨などを幅広く扱う新形態の総合スーパー「イオンスタイル徳島」と、150の専門店だ。このうち、四国初を含む県内初出店が4割以上の64店を数える。

 「一日中滞在してもらえる場所に」「ワンストップのSCを目指す」と、関係者は期待している。そこには「モノ」を買うだけの場ではなく、体験を楽しむ「コト消費」に力を入れる意味が込められている。

 目玉の一つがシネマコンプレックス(複合映画館)である。9スクリーンを擁し、風や水しぶきなどの特殊効果が体感できる映像アトラクションシステムや、臨場感あふれる音響システムなど、最新の設備を導入した。

 県内のシネコンは、「フジグラン北島」(北島町)のシネマサンシャイン北島に続いて2カ所目となる。ファンが望んでいるのは、より多くの映画が見られるようになることである。上映される作品の重複をできるだけ避けてもらいたい。

 県内最大級のフードゾーンや阿波踊りの練習にも使える多目的ホール、通路で直結するボウリング場と、体験の仕掛けは多い。

 基本商圏を自動車30分圏、約13万世帯、32万人とし、年間の来場者を700万人と見込んでいる巨大SCが、既存の店舗に与える影響は計り知れない。

 顧客離れを防ぐためには、地元消費者のニーズをしっかりと把握し、新たなサービスやイベントを充実させるなど、これまで以上に地域密着度を強めていくことが重要だろう。

 互いに切磋琢磨(せっさたくま)すれば、地域の魅力の底上げにもなる。求められるのは過当競争ではなく、うまくすみ分けを図る知恵である。

 イオンモールには、渋滞対策に万全を期してほしい。
 3100台分の駐車場を備えており、初日は懸念されていた大きな渋滞が起きることはなかった。

 大型連休終了までイオンモールが徳島駅からシャトルバスを運行するほか、県警や徳島市などもさまざまな対策を実施している。状況によって、さらに緩和策を講じる必要がある。