卑劣極まりないテロに、強い憤りを覚える。

 英中部マンチェスターのコンサート会場で男が自爆し、8歳の少女を含む多数の市民が死亡した。人の命を無差別に奪うテロを断固、非難する。

 容疑者は、過激派組織「イスラム国」(IS)の一大拠点と化したリビアから帰国した直後に凶行に及んだとされる。どのように計画されたのか、ISの国際ネットワークに組み込まれていたのかなど詳しい状況はまだ不明だ。捜査当局は全容の解明を急いでもらいたい。

 メイ首相はテロ警戒レベルを1段階引き上げ、5段階の最高レベルにした。2007年に北部グラスゴー空港のビルに車が突っ込むテロが起きて以来のことだ。公共交通機関などに警官を増員し、軍も支援する。

 気掛かりな指摘もある。英秘密情報局元幹部によると、英国内には、中東でISなどの戦闘に参加した後に戻った帰還兵が400人以上、戦闘に加わろうとして止められた者は約600人いる。IS共鳴者も多く潜んでいるといわれる。

 英国は島国で国境管理が厳格であり、警戒も強めていたのに、テロを防げなかった。世界も大きな衝撃を受けている。

 間もなくラマダン(断食月)が始まる。ISは昨年もラマダン中の攻撃を呼び掛け、テロが相次いだのは記憶に新しい。

 インドネシアのジャカルタでも自爆テロとみられる爆発が起きた。もはやどの国もテロの脅威と無関係ではいられない。各国は結束し、テロの封じ込めに全力を挙げることが大切だ。