飯泉嘉門知事が4期目の任期を折り返して、初めての県議会となる6月定例会が開会した。
 
 自民系3会派が合流し、全議員の7割以上を占める大会派・県議会自由民主党が発足して初の定例会でもある。
 
 さまざまな事業、政策を打ち出している飯泉県政だが、成果は上がっているだろうか。15年目に入り、多選の弊害は出ていないか。県議会は論戦を通じて厳しく点検してもらいたい。
 
 注目されるのは、音楽プロダクション「アンサンブル・セシリア」と川岸美奈子代表取締役が、東京国税局から法人税法違反容疑で東京地検に告発された問題である。
 
 川岸氏は、県が設けた「とくしま国民文化祭記念管弦楽団(とくしま記念オーケストラ)」関係の事業に関わっていた。出演者の手配などで手数料を得ていたが、2016年7月期までの3年間の所得計約1億3千万円を申告しなかった疑いが持たれている。
 
 東京交響楽団のメンバーらによる記念オケの事業は、飯泉知事が主導して11年に始まった。事業は16年度までの6年間で県教委の分を含めて計30回あり、事業費は計7億2500万円にも上る。
 
 身近な場所で、プロの本格的な演奏を聴く機会を県民に提供してきた意義は小さくない。音楽文化の裾野を広げる効果もあるだろう。
 
 問題は、事業費が適正だったかどうかである。
 
 県は、前年度の実績や同規模の前例を参考に積算したというが、高過ぎないのか。
 
 事業を委託した徳島市のイベント会社から川岸氏に、どんな名目でいくら支払われたか、県は把握していなかった。公金の使われ方に疑念が持たれている。「調査できない」では済まされまい。
 
 事業費を拠出した基金の使途が、議会のチェックを受けない仕組みも問題がある。
 
 飯泉知事は所信表明で、こうした点について検証し、議会に示したいと述べた。
 
 文化の森総合公園の予算を大幅に削る一方、記念オケの事業費を大きく伸ばした政策判断は適切だったのか。
 
 そもそも、なぜ川岸氏が重用されていたのかという疑問が残る。
 
 県議会は、それらもしっかりとただすべきだ。知事とどう向き合うのか、大会派の真価が早速試されよう。
 
 消費者庁の移転を巡っては来月、同庁の政策立案拠点「消費者行政新未来創造オフィス」が県庁に開設される。
 
 これを受けて県は、家庭での事故防止を目指すプロジェクトや食の安全安心に関する事業など、新たな消費者施策を補正予算案に盛り込んだ。
 
 政府は、全面移転するかどうか3年後をめどに判断するとしている。
 
 移転実現のためには、徳島に来るメリットを具体的に実証する必要がある。新未来オフィスの成果が上がるよう、県議会は県とともに知恵を絞らなければならない。