強い毒を持つ南米原産のアリ「ヒアリ」が、国内で初めて神戸港で見つかった。中国広州市から運ばれてきた貨物に紛れ込んでいたとみられる。
 
 米国南部から中米に生息する毒アリ「アカカミアリ」も神戸港や大阪南港で確認された。
 
 いずれも刺されると激しい痛みを感じる。特にヒアリはアレルギー反応を起こすことがあり、死亡例も報告されている。今回見つかったアリは駆除され、これまでに人的被害が出ていないのは幸いである。
 
 だが、駆除前に周辺地域に拡散した可能性は否定できない。疑わしいものには触れないようにしたい。
 
 ヒアリは中国や台湾、マレーシア、オーストラリアなどに生息域が拡大しており、国内への侵入が懸念されていた。毒アリがどのような経路で入り込んだのか、解明が急がれる。関係自治体は継続して徹底した調査を進めてもらいたい。
 
 徳島県は小松島市の徳島小松島港コンテナターミナルで緊急調査を実施し、両種がいないことを確認した。
 
 いったん外来種の侵入、定着を許すと根絶は極めて困難だ。
 
 攻撃性が強く侵略アリとも呼ばれるアルゼンチンアリや毒を持つセアカゴケグモは、国内で初めて見つかってから十数年で徳島県を含む全国に広がった。
 
 人や物が容易に国境を越えて行き来する時代である。外来種の侵入はどこで起きても不思議ではない。危機感を持って、水際対策に全力を尽くさなければならない。