徳島県内で運転免許証を自主返納する65歳以上の高齢者が目立つ。今年1~5月は1334人に上り、前年同時期(630人)の2倍以上になった。
 
 要因の一つは、3月に施行された改正道交法だろう。75歳以上を対象に認知機能検査が強化され、認知症と診断されれば免許の取り消しか停止となる。
 
 検査を機に、自らの運転技術に不安を感じたり、家族から促されたりして、返納する人が増えたとみられる。
 
 高齢になれば、本人が意識しなくても判断力や反射神経は低下し、事故の危険性が高まる。免許証の返納は、高齢ドライバーが加害者となる事故を未然に防ぐことにつながろう。
 
 ただ、本県は公共交通機関が乏しい。車を運転できなければ毎日の買い物や通院に支障を来す高齢者は少なくない。返納したくても、踏み切れない人もいるだろう。
 
 そんな高齢者を支援するため、県内ではバス・タクシー会社や飲食店が、運賃や商品価格を割り引くなどしている。返納者を支援する動きが広がるのはよいことだ。
 
 高齢ドライバーの重大事故防止を目指す県警の呼び掛けに応じたり、独自に企画したりするものだ。県警は、返納者に割引などの特典を付ける事業所を取りまとめてホームページで紹介している。
 
 こうした事業所を着実に増やし、免許を返納しやすい環境づくりを進めていくことが大切である。返納後の生活を支援する取り組みを、官民挙げて加速させたい。