日亜化学工業(阿南市)の2018年12月期連結決算は、売上高が過去最高の4069億6700万円(前期比17%増)となった。純利益は563億9500万円(同14%増)で、2年連続の増収増益。国内、アジア、欧州を中心に、LEDでスマートフォン向けや車載照明用の販売が伸び、電池材料では電気自動車(EV)用バッテリー向けなどの出荷が大幅に拡大した。28日開いた株主総会で報告した。

 営業利益は前期比15%増の724億6700万円。経常利益は15%増の760億9500万円だった。

 事業別の売上高は、光半導体事業が6%増の2914億7500万円。液晶バックライトがスマホ向けの新型液晶に対応した製品の生産拡大などで大幅増となり、タブレット端末やノートパソコン向けも堅調に推移。一般照明用は前年をやや下回ったものの、自動車のヘッドライト用が順調に伸び、半導体レーザーもプロジェクター光源としての需要が拡大した。

 電池材料などの化学品事業は1154億9200万円と、前期比で61%増加した。排ガスなどへの世界的な環境規制強化を背景に、EVやハイブリッド車のバッテリー向け需要が大きく伸びた。

 期間中の研究開発費は3%減の325億2200万円。内訳は光半導体事業が4%減の299億300万円、化学品事業が4%増の25億9800万円だった。

 また、19年以降も新たに700億円程度を投資し、本社と辰巳、鳴門各工場などに、LEDや電池材料の製造設備などを整備する。

 EV普及、追い風に成長

 日亜化学工業の連結売上高は初めて4千億円を超えた。主力のLEDに加えて、電池材料がEVやハイブリッド車向けの市場拡大を捉えて成長の原動力となり、売上高は2008年から10年で1・7倍に拡大した。

 LEDは、15、16年とスマホやタブレット端末向けの需要が停滞するなど2期連続の減収となったが、17年はヘッドライトなど車載用LEDが伸び、増収に転じた。18年もスマホ向けでコスト面などで優れた新型液晶用の生産が増加した。

 さらに15年以降はリチウムイオン電池の主要材料「正極材」の売り上げが、車載用の需要拡大で急増した。正極材を含む化学品事業の18年の売上高は17年に比べ436億円増えて1・6倍になり、全体に占める化学品事業の割合は28%と、17年から8ポイント伸びた。

 ただ、不安材料もある。EVへのシフトなどで電池材料の需要拡大はしばらく続くとみられるが、米中貿易摩擦で世界経済が先行き不透明さを増し、照明用LEDも一層の競争激化が見込まれる。18年も、第4四半期に中国経済の減速などの影響もあり、当初見込みの4200億円には届かなかった。

 日亜は「積極的な先行投資を行うことが技術力や競争力の強化につながる」と、09年以降の10年間で6千億円以上を投資してきた。こうした企業戦略により20年の売上高目標5千億円を達成できるか、今後の行方が注目される。

 粟谷氏が取締役昇格

 日亜化学工業は28日開いた株主総会と取締役会で、粟谷圭吾総合部門管理本部副本部長総務部長が取締役に昇格する同日付の役員人事を決めた。四宮源市常務取締役研究開発管掌は退任した。