安倍内閣の支持率が急落している。報道各社の世論調査では軒並み30%台に落ち込み、一部調査では、政権運営が不安定になる「危険水域」とされる20%台に突入した。
 
 首相の友人が理事長を務める学校法人「加計(かけ)学園」の問題についての政府の対応や、「共謀罪」を巡る強引な法案処理に加え、東京都議選のさ中の閣僚の失言などが積み重なった結果だとみられる。
 
 安倍晋三首相は、謙虚に国民の声を受け止め、丁寧な政権運営を心掛けるべきだ。
 
 共同通信社が15、16の両日に実施した全国電話世論調査では、安倍内閣の支持率は35・8%で、前回6月から9・1ポイント下落した。不支持率は53・1%で10・0ポイント増えた。
 
 支持率は2012年12月の第2次政権発足後、最低となり、不支持率と逆転した。
 
 加計学園の獣医学部新設計画で、行政がゆがめられたことはないとする政府側の説明に、77・8%が「納得できない」と答え、「納得できる」は15・4%にとどまった。
 
 新設問題では、文部科学省に残る文書や関係者の証言から、首相官邸の関与が疑われている。首相は全面的に否定したが、国民の理解は得られていないのである。
 
 国会の閉会中審査でも、真相は明らかにならなかった。首相の外遊中に審査を行ったことも響いたようだ。不支持の理由で最も多かったのは「首相が信頼できない」で9・7ポイント増の51・6%だった。
 
 時事通信の7月の世論調査では、第2次政権になって初めて支持率が30%を切り、29・9%になったことは政府・与党に衝撃を与えた。実に前月比15・2ポイント減である。
 
 「安倍1強」の状況にあぐらをかいたつけが回ってきた格好だ。
 
 やっと、首相は予算委員会の集中審議に出席する意向を示したが、説明次第では不信感が増す可能性もある。
 
 東京都議選での自民党大敗などを受け、政権は支持率向上に躍起になっている。
 
 来月初めの内閣改造について首相は「安定感あるベテランや、改革突破力のある人を登用したい」と述べた。
 
 人材を登用し政権浮揚を図りたいのだろうが、世論の風当たりは強い。共同通信社の今回の世論調査では、改造に「期待しない」が57・0%で、「期待する」の41・0%を上回った。
 
 第2次政権で過去最低の支持率は15年7月の37・7%だった。集団的自衛権行使を容認する安全保障関連法が衆院を通過した直後だ。
 
 首相にはこの時、経済優先を看板にして支持率を回復させた「成功体験」がある。
 
 しかし、不人気政策の後、目先を変える政策を打ち出す安倍政権の手法を、国民は見抜いているのではないか。
 
 今、加計学園問題の幕引きを急げば、東京都議選のような有権者のしっぺ返しが待っている。
 
 首相は真摯(しんし)に国民と向き合わなければならない。