政府は2017年版の男女共同参画白書を公表した。16年4月の女性活躍推進法施行から1年を迎え、働く女性の活躍の現状と課題に焦点を当てたのが特徴だ。

 白書は、女性の就業が拡大する一方、管理職率の低さや、非正規などの雇用の不安定化、賃金格差といったさまざまな課題が顕在化していることを指摘している。働く場面で女性の力が十分に発揮されているのか、とも問う。

 職場での男女差別を禁止する男女雇用機会均等法が施行されて、今年で31年になる。

 施行当初は、仕事と子育てを両立させようとする社会的風潮もない中、男性と同等に働くことを求められ、退職する女性も多かった。

 今も、働き続けるためのハードルが完全に解消されたとはいえまい。

 30年の間に、生産年齢人口である15~64歳の女性就業率は53・1%から66・0%と、12・9ポイントアップした。上昇幅の大半は最近10年のもので、この4年間の上昇が著しい。女性の職場進出が加速しているのは、ここ数年の現象だといえる。

 白書は、女性が希望に応じた働き方を実現できるよう、社会全体として取り組む重要性を強調した。

 しかし、多くの課題が残っている。その一つが、女性管理職の少なさである。

 就業者に占める女性の割合は43・5%と、欧米諸国とほぼ同水準なのに、管理職は13・0%と極めて低い。就労継続支援をはじめ、能力開発、キャリア形成など、管理的立場で活躍できる人材の育成が急がれよう。

 女性の就業率が子育て期(25~44歳)に落ち込む、いわゆるM字カーブが顕著なのも問題だ。

 カーブの底は上昇傾向にあるが、地域格差も大きい。子育て期の就業率が最も高い福井県(86・8%)と、最も低い神奈川県(67・6%)との間では20ポイント近い差がある。

 待機児童の解消や、男性の育児参加促進など、地域の実情に応じたきめ細かな対応が欠かせない。

 女性社長の比率が高く、「働く女性の先進県」とされる本県は、管理職率も全国上位にある。M字カーブの落ち込みも小さい。さらに向上させる方策を練っていきたい。

 女性活躍推進法では、女性の働きやすさ指標などの公表を301人以上の企業に義務付けた。

 法施行から1年がたち、大企業は新卒の人材獲得を狙い積極的に情報を公表する。一方、義務を負わない中小企業の間には温度差もある。中小の取り組みを促す制度へ見直しも必要だろう。

 セクシュアルハラスメントやマタハラなどの被害事例が後を絶たない。非正規の雇用形態に就く女性も多い。

 人口減少が急速に進む中、女性の労働力なくして社会は成り立たない。法整備は進んだが、実態として残る男女格差の解消が求められる。