台風5号がきのう、高知県室戸市付近を通過した。

 徳島県内では、ほぼ全域に大雨、洪水、暴風警報などが出され、激しい風雨に見舞われた。避難勧告も出た。
 
 雨で地盤が緩んでおり、土砂崩れなどが起きる恐れがある。引き続き、十分な警戒が必要だ。
 
 大雨や暴風により、交通機関の混乱も目立った。徳島空港発着の空の便が欠航したほか、JR四国も運転を見合わせた。京阪神や広島、岡山方面を結ぶ高速バスも多くの便が運行を取りやめた。
 
 自宅に被害はなかっただろうか。台風シーズンのさなかであり、家の補修や防水対策が急がれよう。
 
 九州から四国、近畿というルートをたどった台風5号は速度が遅く、大雨や暴風が長時間続く特徴があった。
 
 奄美市では24時間雨量が400ミリを超え、8月の観測史上最大を記録した。鹿児島県では2人の死者も出た。
 
 九州北部では先月初めの豪雨の爪痕が残る。福岡、大分両県で多数の死者を出すなど被害は甚大なものだった。発生から1カ月が過ぎた今もなお、自宅を失うなどした多くの人たちが避難生活を送っている。
 
 この時は、積乱雲が帯になって、長時間ほぼ同じ場所に停滞する「線状降水帯」が被害を大きくした。
 
 一口に大雨といっても、気象条件によって特性が違う。気象庁のホームページなどで台風の勢力やルート、速度を知っておくことが大事だ。
 
 台風の進路に当たる四国は山間部が多く、本県でも土石流などが人命を奪ってきた歴史がある。
 
 日本有数の大河である吉野川や那賀川も、洪水被害をもたらしてきた。
 
 吉野川では、上流の無堤地区の解消が課題となっている。国土交通省四国地方整備局の吉野川の河川整備計画変更原案には、10年以内に築堤工事を始める方針が盛り込まれた。
 
 那賀川流域の阿南市と那賀町で、2014年、15年と2年続けて大規模な浸水が発生したことは記憶に新しい。県は16年11月に、同町鷲敷地区の那賀川や支流沿いに堤防を新設する輪中堤(わじゅうてい)の建設に着手した。
 
 国も県も住民が安心して暮らせるよう、一層の防災対策を推進してもらいたい。
 
 大雨の被害を最小限に食い止めるためには、地域の防災力を高める必要がある。
 
 心配なのは、少子高齢化が進む中で、地域社会の絆が希薄になっていることだ。
 
 周りの1人暮らしのお年寄りは避難できただろうか。地元消防や隣近所の連携によって、災害弱者が速やかに避難できる態勢を築くことが大切である。
 
 未曽有の豪雨は、いつ発生しても不思議ではない。「今まで大丈夫だったから、今度も避難する必要はない」と考えるのは禁物だ。先手先手で命を守りたい。