小池百合子東京都知事の側近である若狭勝衆院議員が、政治団体「日本ファーストの会」を設立した。民進党に代わる二大政党の一翼を担うのが狙いだという。
 
 次期衆院選を見据え、小池氏が事実上率いる地域政党「都民ファーストの会」と連携して、年内の新党結成を視野に入れる。
 
 7月の都議選で都民ファーストが大勝した余勢をかって、国政に打って出ようというのだろう。
 
 「自民党1強」に陰りが見え、代表辞任で民進党が混乱するなど、野党も低迷している。そうした中、新たな受け皿を求める有権者が少なくないのは確かだ。
 
 しかし、新党で何をしたいのかは、よく分からない。目新しさだけでは勢いは長く続くまい。政権交代可能な党を目指すというなら、既成政党とは違う明確な対立軸を示さなければならない。
 
 若狭氏は、設立を発表した会見で「有権者は、自民党でも民進党でもない、もっと新しく、もっと声を受け止めてくれる政党の存在を求めている」と語った。
 
 有力な連携相手とされるのが、民進党を離党した細野豪志元環境相である。民進党を除名された長島昭久衆院議員や、日本維新の会を除名された渡辺喜美参院議員らの名も挙がっている。
 
 細野氏とは政策協議を始めており、憲法改正による地方自治の確立や情報公開による透明性の高い政治、多様性を重視した社会などで、方向性が一致したという。
 
 ただ、外交や安全保障、経済、社会保障といった基本政策の協議はこれからである。地方自治以外の憲法改正に対する考え方はどうなのか。原発を含むエネルギー政策をどう進めていくのかも、重要な論点だ。
 
 こうした基本政策で合意できなければ、これまで何度も繰り返されてきた選挙目当ての離合集散と同じだと、国民は見るだろう。
 
 若狭氏は「プロだけの政治ではなく、幅広い人材の下で政治が行われる必要がある」とし、新党の候補者を確保するため、政治塾も発足させている。
 
 9月の初会合には小池氏を講師に招くという。
 
 小池氏の政治理念を全国に広げるとも強調したが、都政改革や女性の活躍推進などを除けば、その理念ははっきりとしない。
 
 小池氏は日本新党、新進党などを経て、自民党に入った経歴を持つ。今後、新党に深く関与していくのなら、国政に対する立ち位置を改めて説明してもらいたい。
 
 日本ファーストの設立は、民意の受け皿になり切れていない既存政党の存在意義を問うものでもある。
 
 動向次第では民進党の分裂など、政界再編の引き金となる可能性がある。
 
 自民党をはじめ各党は、政治への不信感が高まっていることを忘れてはならない。