全長2メートル“巨大な傘”

 北海道東部・十勝地方の足寄町上螺湾(かみらわん)地区を流れる螺湾川沿い。6~7月にかけて、自生するラワンブキが2メートルもの背丈になって生い茂る。傘のように大きな葉に囲まれると、アイヌ民族の伝説に出てくる小さな妖精「コロポックル」になった気分になる。

子どもの背丈を超えるほど成長した螺湾川沿いのラワンブキ=北海道足寄町上螺湾

 この地区特産のラワンブキはフキの一種で、ゆで物などにして味わう。みずみずしさとやわらかな食感が特に好まれる。

 これほど大きく育つ理由はよく分からない。3年前から調査している九州大大学院農学研究院の智和正明准教授(43)は「螺湾川は一般的な川よりマグネシウムやカルシウムなどのミネラルの濃度が10倍以上ある」。因果関係を研究中だ。

 地元の酪農家の阿部寿美雄さん(62)は、ラワンブキの乱獲を防ぐ啓発などに取り組む環境保全グループの代表を務める。子どものころによく遊んだ自生地は、昨夏の北海道の豪雨災害で傷ついたが、「全国的に珍しい貴重な地域の財産を孫やその先の世代に残したい」と力を込める。(写真と文・金田翔=北海道新聞)

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