竹本友和嘉さん(右)の三味線に合わせ「傾城阿波の鳴門 順礼歌の段」を情感たっぷりに語る藤本君=徳島市川内町の阿波十郎兵衛屋敷

 上板町の高志小3年藤本智大君(9)=同町瀬部=が、大阪の人形浄瑠璃文楽の太夫(語り手)の竹本織太夫さん(43)に弟子入りした。小学生の太夫は織太夫さん以来36年ぶりで、「竹本織子太夫」の名を授かった。4月1日から文楽協会研究生となり、師匠の下に通って芸を磨く。

 藤本君は小2だった2017年4月、徳島市で開かれた体験会で阿波人形浄瑠璃に出合った。すぐに太夫の竹本友和嘉さん(56)=徳島市八万町西山=に師事。その後、公益財団法人阿波人形浄瑠璃振興会に所属して同年12月に阿波十郎兵衛屋敷で初舞台を踏み、勝浦町や鳴門市などで計7回、語りを披露した。同年の「チャレンジとくしま芸術祭」では、最も印象深い出演者に贈られるMIPを受賞した。

 国立文楽劇場(大阪市)にも数カ月に一度のペースで通って公演を鑑賞していた。昨年6月に織太夫さんと出会い、太夫になることを決意。織太夫さんも1983年に8歳で入門していた。

 これまでは友和嘉さんの自宅に月4回通い、稽古をつけてもらっていた。藤本君は対面で「傾城阿波の鳴門 順礼歌の段」をおうむ返しに繰り返し、演目の後半で語りのテンポが速まっても、軽妙な語り口で情感たっぷりに語っている。

 友和嘉さんは「最初から度胸があった」と話し、「語りは人間の心情が分かっていないとできない。最近は心から言葉がにじみ出てくるようになった」と評価する。

 4月以降は週末や夏休みを利用して、大阪で稽古に励む日々が続く。藤本君は「もっと上手になって憧れの舞台に立ちたい」と話している。