新たな観光資源PR

 日本海に面し、国内最長の信濃川が流れる新潟市中心部には、豊かな自然環境と昔ながらの風景が広がる湖沼がある。大きさ約160ヘクタールの「鳥屋野潟(とやのがた)」だ。通年で漁を行う住民もおり、近年は市街地のすぐそばで水揚げされた淡水魚を味わうイベントも人気だ。

市街地のそばにある鳥屋野潟で投網を打つ増井勝弘さん=新潟市中央区

 5月のある日の漁に同行した。昔ながらの木製の小舟から、投網を打ったり刺し網を仕掛けたりするとすぐに、コイやフナが次々と上がった。

 都市化が進んだ高度経済成長期以降には生活排水が流れ込みテレビや冷蔵庫といった粗大ゴミも投棄された。水質が劣悪だった時期もあったが近年は改善された。多くの水鳥が飛来し、貴重な植物が生息する鳥屋野潟は、市民憩いの水辺だ。

 新潟市には大小合わせて10以上の湖沼(潟)が点在する。「新潟」の地名の由来になったとする説もあり、潟は新潟を象徴する存在ともいえる。

 鳥屋野潟漁業協同組合の増井勝弘組合長(72)は「潟は新たな観光資源になる。今後も広くアピールしていきたい」と語った。(写真と文・富山翼=新潟日報)

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