川面で輝く誘魚灯が幻想的なシラスウナギ漁=徳島市の吉野川

 毎夜、徳島市から阿波市の自宅に帰る道中で楽しみにしているのが、吉野川の堤防上から見えるシラスウナギ漁だ。

 集魚灯をつけた小舟が、河口近くの水面をゆったりと行き来する。多い日には30隻以上。暗がりに明かりが映えて、まるで大きなホタルのよう。その幻想的な光景は、徳島の冬の風物詩として知られる。

 12月中旬から始まった漁は、4月中旬まで続く。最近は県外からわざわざ見に来る人もいるという。

 シラスウナギはウナギの稚魚で、体長は5センチほど。ニホンウナギの場合はフィリピンのマリアナ海溝付近で生まれ、黒潮に乗って日本沿岸に回遊し、河川に上るとされている。集魚灯を照らしておびき寄せ、網ですくっていく。養殖業者に引き取られ、成魚に育てて出荷される。

 ニホンウナギは、生息地の環境変化や乱獲で漁獲量が減少している。2014年には国際自然保護連合(IUCN)が絶滅危惧種に指定した。シラスウナギの水揚げもここ数年、激減している。

 何気なく見ている美しい光景だが、これからもずっと見られるのだろうか。現実を知れば、複雑な気持ちにさせられる。