きょうから新聞週間が始まった。日本新聞協会が定める新聞週間は、報道の使命と責任を自省・自戒する機会として、戦後まもない1948年に創設され、今年70回の節目を迎えた。

 徳島新聞は地方紙としての責務を十分に果たせているだろうか。読者の信頼に応え続けるための努力を怠ってはなるまい。改めて、そう気を引き締めている。

 「新聞で 見分けるフェイク 知るファクト」。今年の新聞週間の代表標語である。

 作者の田村美穂(よしお)さんは横浜市に住む64歳の男性だ。標語に込めた思いについて、こう語っている。「さまざまな情報があふれている今こそ、取材で裏付けられた事実に触れたい」

 標語のフェイク(偽)は、捏造(ねつぞう)されたニュースを意味する「フェイクニュース」のことで、世界中で深刻な問題となっている。

 昨年の米大統領選では有権者の投票行動を左右したとも指摘され、その後も、世界各地で国政や外交に影響を及ぼすケースが出ている。

 折しも、衆院選の真っただ中である。メディアを利用した「劇場型」という選挙手法も取りざたされている。

 有権者の判断材料となる情報が提示できるよう、ファクト(事実)を見極め、正確で公正な報道に徹したい。

 「スマホ置き こっちへ向かせる 記事がある」という標語もある。情報過多時代の今、新聞には一層の信頼性が求められる。それを重く受け止めなければならない。

 徳島新聞社加盟の日本世論調査会が9月に実施した「ネット社会」に関する全国面接世論調査によると、仕事や学校を除く生活の中でネットを利用している人は66%に上る。ニュースを閲覧している人も多い。

 フェイクニュースが社会に影響を与えることが、日本でも起こるかを質問したところ、「起こり得る」「ある程度起こり得る」と答えた人は計90%に達した。

 さまざまなメディアからおびただしい量の情報が発信され、飛び交っている。

 ネット社会への不安の声も聞こえる。一体、どの記事が真実を伝えているのか、迅速で的確に判断できる能力を養う必要がある。

 新聞記者の任務は真実の追求である。それを肝に銘じて、丹念な取材に裏打ちされた記事をしっかりと届ける責任がある。

 徳島新聞は、県内の最前線に12支局の取材網を張り巡らせて、暮らしに役立つ情報や地域の未来を考える記事を発信している。

 「伝えたい 語り合いたい記事がある」。これも標語の一つだ。きょうの紙面を話題に、大いに語り合ってもらいたいと思う。

 人口減少が進む地域では、助け合い、共に暮らしていこうという機運が高まりつつある。そうした中で地方紙が持つ役割を再認識したい。