建設機械のメーカーやレンタル会社、工事の請負会社から注文を受けると、ワゴン車に道具類を詰め込み、全国各地の地盤改良工事の現場へ向かう。建設機械のうち、地面に鉄のくいを打つ「基礎機械」の修理を主に手掛けている。

 機械が故障すると工事がストップする。早期再開のためにはその場での修理がベスト。現場では喜ばれるが、天候の影響を直接受けるため作業は過酷だ。

 「冬は寒く、夏は暑く、雨の日はびしょぬれになる」と苦笑いする。昨夏は猛暑の中、大阪市のユニバーサル・スタジオ・ジャパン近くの現場で作業をした。「日陰が全くなく、上からは強烈な日差し、下からは鉄板の熱を受け続けた」と言う。

 徳島市で生まれ、小学校に上がるとき父の仕事の都合で愛知県大治町に移り住んだ。地元の大学に通っていたが、アクション映画のスタントマンになろうと中退。キャラクターショーに出演したものの芽が出ず、夢を諦めて職を転々とした。

 最初に勤めたのが名古屋市の建設機械レンタルの老舗。「血尿が出るほどの激務だったが、基礎機械の修理技術を身に付け、後につながった」。2003年に基礎機械の修理業を1人で始めた。業界に人材が少ないこともあって事業は順調という。

 13年には、岩手県陸前高田市や宮城県石巻市など東日本大震災の復興事業の現場にも駆け付けた。「カーナビの地図では住宅地になっている場所に荒野が広がっていた。家が全て津波で押し流されたと知り、大きなショックを受けた」と振り返る。

 今の課題は従業員の確保。3年前に弟が加わったが、人手が足りない。「古里の徳島にやる気と根性のある若者がいないものか」と笑う。

 やまなか・けいぞう 徳島市吉野本町生まれ。愛知工業大名電高卒、同大建築学部中退。2003年に建設機械の修理や販売を手掛けるサンチュウテクノサービスを設立。16年に株式会社化した。愛知県大治町在住。52歳。