県内で働く外国人労働者が急増している。昨年10月時点で4024人となり、初の4千人台となった。前年同期と比べ10・9%の増加だ。

 全国は18%増の約128万人。生産現場を中心に人材難が深まる中で、彼らの活力に頼る現状を示している。

 一方、外国人を含めた県人口は19年連続で減少。今年1月時点で74万2113人と1年間で7千人近く減った。ますます、外国人が徳島の日常を支える力として重要になっていくだろう。

 言葉や文化の違いは、地域社会での孤立を生みがちだ。働きながら、家族で暮らす外国人も増えている。貴重な人材に定着してもらえるよう、行政はもちろん、職場や地域が理解を深め
 、支援の輪を広げたい。

 県内で外国人労働者が増えた要因は、フィリピン、ベトナムからの移入増加によるという。特に、ベトナムは、297人増の1116人である。全体の27・7%にも及ぶ。逆に中国人はわずかに減っている。

 こうした増減は、経済連携協定(EPA)や在留資格を巡る制度変更のほか、本国の賃金水準の変化も反映している。中国人の減少は、自国内の賃金水準が上がったためだという。

 日本には、アジア各国は貧しく、日本との格差がかなりある、という思い込みがありはしないか。日本の円が本国では何倍もの価値があり、仕送りが家族や親族を潤すといったイメージだ。

 しかし、最近の事情はかなり変化しているという。

 例えばインドネシアでは近年、都市部での賃金が上昇し、日本との格差が縮まりつつある。

 言葉や文化の異なる国で不自由な生活を強いられるなら本国で。もし出るなら、より賃金の高い国へ。日本で働くなら地方より都会へ。こうした流れになれば、経済活力の低い地域ほど、魅力のない地域になってしまう。

 救いは、ベトナムやインドネシアなどアジアには親日的な国があることだ。本国で日本のテレビドラマやアニメになじみ、身近に感じてくれる人が多い。助け合いや敬老の文化がある。

 EPAに基づき約10年前から外国人を受け入れる社会福祉法人、健祥会グループ(徳島市)は3年前から「配偶者支援」という試みを始めた。

 既にアジア3カ国から計283人を受け入れ、現在も171人が在籍する。介護福祉士の資格を取り、日本で永続的に働けるようになっても、家族の生活環境が整わなければ、定着は難しくなる。

 特に、職員の配偶者は言葉の壁などで家で過ごすことが多くなる。このため、日常生活に支障がないレベルを目標に、月1回、専門教師が日本語を教えている。

 優れた人材に定着してもらうためには、賃金面だけでなく、隣人としての触れ合いがより重要になっていく。