2015年が明けた。ことしのえと「未(ひつじ)」にちなんで、「羊」が入った四字熟語で一年を展望してみよう
 
 安倍晋三首相は地方創生に「異次元の政策で」と意気込んでいたが、年末にまとまった総合戦略はいささか「羊頭狗肉(ようとうくにく)」の観も。だが、無い物ねだりをしても始まらない。地方で暮らす私たちの問題だ。将来、地方創生元年だったと言われるように知恵を絞りたい
 
 羊は前に進み続ける性質があり、羊飼いが方向を導く必要がある。このことから「牽羊悔亡(けんようかいぼう)」は良い指導者に従えば後悔することがないと説いている
 
 統一地方選の年であり、4月には県内でも知事選を筆頭に12の首長・議員選がある。昨年末、衆院選の投票率は戦後最低を更新。中でも県内は50%を下回り、全国ワースト2だった。本格的な人口減少時代はすぐそこだ。難局を乗り切るために、信頼できるリーダーを自分たちの手で選ぼう
 
 戦後70年の節目を迎えることも忘れてはならない。衆院選で圧勝した首相は、その勢いに乗って平和主義の象徴である憲法の改正に突き進む構えだ。勇にまかせて猛進する者は進退窮まるという意味の「羝羊触藩(ていようしょくはん)」という語もある
 
 選ぶのに迷う「多岐亡羊(たきぼうよう)」も考え物だが、「この道しかない」と決めつけられても困る。明るい未来への道筋は、羊のごとく穏やかな気持ちで探したい。