えべっさんがにぎわうのは景気がいいときか、それとも悪いときか。そんなことを考えながら、徳島市通町、事代主(ことしろぬし)神社の本えびす、並ぶ露店を冷やかし冷やかし、ぶらぶらと
七福神の一。えびすと聞けば誰しも、福々しい顔と体つき、タイを抱えたあの姿を思い浮かべるだろうが、さてどなた? 調べてみればいろいろあるようで
事は神代にさかのぼる。天上界の天照大神(あまてらすおおみかみ)は、大国主命(おおくにぬしのみこと)のところへ使者を送り、地上の世界を譲るようにと迫った。「そうなさいませ」と勧めたのが、釣りに出掛けていた子の事代主神。それを聞き入れ大国主は、出雲大社に隠居する。日本神話の一大イベント「国譲り」である
この事代主をえびすとするのが一つ。ほかに伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と伊弉冉尊(いざなみのみこと)の第一子、蛭子(ひるこ)とするのは兵庫県の西宮神社。二つとないえびす顔。その陰には、涙なくして語れない話がある
3歳まで脚が立たなかったという。ために舟で茅渟海(ちぬのうみ)、今の大阪湾に流されてしまう。神像になってよみがえり、漁師に網で引き揚げられて、西宮に鎮座したのが平安時代。人を幸福にするには神様ですら、言いしれない苦労が必要なのだろう
それなのに、人を不幸にしておいて、何が殉教だ。砂漠の神も許しはするまい。それなのに。そんなことも考えながら、また人波を行く。きょう残りえびす。
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