時は過ぎていく。そのあまりの平等さに、ため息をついてもいいだろうか。阪神、淡路の、あの震災の傷を癒やしつつ、被災者の20年。成人式で騒動を起こした若者が育つのにかかった時間も、また20年

 悪いと知りながらの狼藉だろう。説教には紙面が惜しい。なぜ止められなかったか。問題はここにある。その場には市長もいたというのに

 少々羽目を外しても許してもらえる。そんな間違ったメッセージを送ってどうする。行動や発言に責任が伴う。それが大人の世界である。吉野川市は今からでも当人たちにけじめをつけさせるべきだ

 「公衆トイレに紙がない」「子どもを病院に連れて行きたいが、渋滞するのでパトカーで先導を」。警察庁によると、昨年受理した110番通報の4件に1件がこんな調子だったとか。身勝手な大人をこれ以上つくってはいけない

 愚行への論評はこれまで。「成人の日」のきょうも、各地で式典が開かれる。まっとうに20歳になった新成人の皆さんへ、小欄からもはなむけを。無論、狼藉の勧めではないので、念のため

 <今から20年後、あなたはやったことよりもやらなかったことに失望する。ゆえに、もやいを解き放て。安全な港から船を出せ。貿易風を帆にとらえよ。探検せよ。夢を持ち、発見せよ>(マーク・トウェーン)。さあ、健闘を。