ギリシャが、リオデジャネイロ五輪への選手団派遣に四苦八苦している。財政難で政府の補助金が廃止されたためだ。開会式の入場行進は五輪発祥の地・ギリシャが先導するのが決まりで、関係者はスポンサー探しに躍起だ
放漫財政の揚げ句、ギリシャは欧州連合(EU)などから金融支援を受け、その見返りに増税や年金カットなど緊縮策による財政再建に取り組んでいる。五輪への補助金ストップもその一環だ
痛みが伴う改革のかいあって経済成長が7年ぶりにプラスに転じるという。一方で、国民の「緊縮疲れ」もあらわになってきた
大幅な債務削減を各国に求めるとする反緊縮派が、25日の総選挙に向けて勢いを増している。まさに「借りる時の地蔵顔、返す時の閻魔(えんま)顔」である
財政規律を重んじるドイツでは、ギリシャの救済にこれ以上の税金を投じることへの反発が強まっている。ドイツ語で責任や罪を表す「シュルト」は、複数形の「シュルデン」になると借金や債務を指す。ドイツ国民にすれば、罪は償うのが当たり前だと、ギリシャ国民に言いたいに違いない
勤勉さではドイツに勝るとも劣らないとされる日本だが、国の借金事情は異なる。日本が抱える債務は1千兆円を超え、ギリシャを上回る世界一の借金大国である。他国の心配をしている場合ではないのだ。
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