<歳月は人を待たず>の心地で頑張ってきたの…と書き始めて筆が止まった。「皮肉も大概に」との声が聞こえてきそうで

 機嫌を損ねる受験生がいても無理はない。<時に及んで当に勉励すべし>。陶潜の詩は「若いころは二度とない。懸命に遊べ」と説いているのだから。まあ怒らずに、ここは勉励を勉学に励むとする通俗的な解釈で

 あすからセンター試験。大学入試シーズンも、いよいよ本格化する。県内では、徳島大学など4カ所で約3千人が挑む。雪に見舞われることも珍しくないが、天気は比較的良いようだ。体調への気遣いも忘れずに

 陶潜。中国の詩人で、字は淵明。受験生なら「帰去来辞」ぐらいは常識かもしれない。十分に努力を積んできた人には、杜甫の詩の一節を。<読書万巻を破り/筆を下せば神有るがごとし>。たくさんの書物を読破した。詩を作れば神の助けがあるかのようにうまくいく。そう、きっとうまくいくから、落ち着いていこう

 因果応報といえば、悪い意味で使われることが多い仏語だ。本来はそうじゃない。過去の悪行が因となって悪い結果が生じるのと同じく、善行には良き結果がもたらされるのである。努力が無駄になるはずがない

 その山を越さなければ、決して見えない風景がある。靴ひもをしっかり締め直し、いざ頂上アタックである。