<けふ此頃の新聞紙をみろ/此の血みどろの活字をみろ>。もの書きの端くれ、これではいけないと思いつつ、山村暮鳥など持ち出してはみたものの、ふつふつと沸き上がる怒りに、筆の震えが止まらない

 過激派「イスラム国」とみられるグループの人質になっている邦人、湯川遥菜さんの殺害現場らしき写真を持つ後藤健二さんの画像が、ネットで公開された。「信ぴょう性は高い」と政府も認めざるを得ない状況だ。卑劣で、許し難い蛮行である

 画像とともに、後藤さんを名乗る男性が政府の対応を非難する音声が流れた。責任は自らにあると覚悟を決めて越境したジャーナリストだ。強制されているのだろう。ただ「愛する妻、2人の娘に会いたい」のくだりを除いては

 この段に至っても、自己責任論をぶつ人、反対に政権の責任を声高に叫ぶ人がいる。いずれもテロリストを喜ばせるだけではないか。本当に悪いのは誰か、見失ってはいけない。人の命が懸かっているのである。批判など後でいい。今は政府を信頼して、無事救出を祈るほかない

 宗教に名を借り、人殺しを商売とするやからがいる。そこに各国から若者が飛び込んでいる。何が彼らを駆り立てるのか。差別か、貧困か、広がる格差か。<目をみひらいて読め/これが世界の現象である>。何という恐ろしい時代か。