毎朝、メールをチェックするたびに迷惑メールの多さにうんざりしている。大抵はすぐ削除しているが、社会勉強と称してたまに開くことがある
 
 特殊詐欺やフィッシング詐欺とおぼしき文面にはいつもあきれてしまう。最近、目を引いたのは「15億円の遺産を寄付します」という「申し出」。よくもまあ、こんな突拍子もないことを考えつくものだ
 
 昨年1年間に全国の警察が把握した特殊詐欺の被害額は、過去最悪の約560億円を記録した。毎日1億5千万円がだまし取られている計算だ。想像をはるかに上回る金額に、驚きを通り越して何と言っていいのか分からない
 
 憎たらしいのは、主にお年寄りを狙っていることだ。未遂も含めた認知件数の約8割が高齢者狙いだった。こつこつとためてきた老後の蓄えを失ったという悲劇が、後を絶たない
 
 未成年者の摘発が増えているのが気になる。中には、アルバイト感覚で犯行グループに加わった少年少女もいるそうだ。40%近くを暴力団関係者が占めている事実も忘れてはならない
 
 人の道を外れて得た富や地位は浮雲のように値打ちのないことだ。論語がそう説いていると、ここでいくら力んでも、犯人たちには「犬に論語」。だまされないように用心深く暮らすしかない。ちなみに「自分だけは大丈夫」という人ほど危ないらしい。