これが芝居なら、きっとはやるまい。外国劇ということを差し引いても、登場人物のやることなすことが極端なのである
ところが隣国ではこれが現実のようだ。外題だけは秀逸な「ナッツ・リターン」事件で、大韓航空前副社長に懲役1年の実刑判決が言い渡された
客室乗務員のナッツの出し方に怒って飛行機を引き返させる。なるほど、財閥のお嬢さまのわがままにはあきれる。これに限らず財閥の横暴は目に余るという。さらには、上司と部下、教師と学生といった、立場の強い者(甲)が弱い者(乙)を苦しめる「甲乙」関係が、社会問題になっているそうだ
という事情があっても、実刑とは驚く。司法が世論におもねったのではないか、との疑念も湧く。その材料に事欠かないのである。解決済みの補償問題を蒸し返す元徴用工訴訟、対馬の寺院から盗まれた仏像を返却しない判断…と
産経新聞前ソウル支局長の名誉毀損事件も法が恣意的に曲げられた典型例だろう。こちらは大統領の顔色をうかがったか。既に半年を超す不当な出国禁止措置をなお続けるとは、国際常識を大きく逸脱している
「恨」の国といっても、いまどきの国のはずだ。遠い過去のドラマのような、むちゃな展開に眉をひそめている人もいよう。良識という言葉を思い起こしてもらいたい、と切に願う。
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