<四国の山の 小さな町に/雅の国の 幾万体の おひな様>。何とビジュアルな歌詞だろう。幾万の色鮮やかなおひな様と山あいの町が眼前に広がる
勝浦町の「ビッグひな祭り」のPRソング「おひな様を世界へ」の冒頭だ。2016年のリオデジャネイロ五輪でのビッグひな祭り開催計画が、勝浦町出身の鴻本浩さんの胸を揺さぶり、詞が生まれた
「町を挙げてひな祭りを盛大に祝おう」。そんな思いから1988年4月、勝浦町の若手職員らが始めた試み。引き継いだ「阿波勝浦井戸端塾」の初代理事長、故殿川武男さんらが「ビッグひな祭りを世界に広めたい」と広報や企画に心血を注ぎ、大イベントに育てた
今や春の風物詩になり、ミカンの里にはおひな様の里の趣もある。勝浦町生名の人形文化交流館では、高さ約8メートルのピラミッド型ひな壇を中心に、約3万体の人形が4月5日まで会場を彩る。民家の軒先1・3キロに人形を飾る風情豊かな「坂本おひな街道」は3月22日まで
<平和の祈り 輪と輪でつなぎ/阿波の国より 飛び立つよ>。計画では1万体のおひな様をリオへ送り、ひな壇に飾る。おひな様が大舞台に旅立てるのは、人形の提供者、町民ら多くの人の善意と努力のたまもの。きらびやかなひな壇に宿る温かい大和心も、選手や観客に感じてもらえれば幸いだ。
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