去年のきょう、104歳で鬼籍に入った童謡詩人のまど・みちおさんに「ふしぎなポケット」という歌がある。一つたたけばビスケットが二つ、もう一つたたけば三つになる、それは不思議なポケットだ

 「ビスケットだと、割れてしまうやろ」。得意になって友達に吹聴した記憶がある。「入れるなら、絶対お金だよ」。嫌な子どもである。もし戻れるのなら、説教せずにはおかない

 これもつくづく不思議なポケットだこと。「政治家の三つの財布」とも呼ばれる政党支部や資金管理団体、議員の後援会だ。ここへの金の出入りをめぐって、何人の閣僚がポストをふいにしたことか

 引責辞任した西川公也前農相に続き、望月義夫環境相と上川陽子法相が、補助金交付の決まっていた会社から寄付を受けていたことが分かった。下村博文文科相も不透明な資金処理が指摘されている

 「知らなかった」「法的に問題はない」。判で押したように言うけれど、マスコミに指摘されてようやく気付くというのでは「財布」の管理がなっていない。”ザル法”で名高い政治資金規正法。倫理観が頼りといったところが多分にあるのに

 1強体制下、たがが緩んでいませんか。そもそも税金から政党交付金を受けている政治家の皆さんです。企業・団体献金の禁止を本気で考えるときではありませんか。