最近の東京株式市場の活況につられて、こんな話を思い出した
 
 付け句といえば、連歌・俳諧で前句に付ける句のことである。何も浮かばずに困り果てたときはどうするか。こういっとけば、たいていは大丈夫なのだそうだ。「それにつけても金の欲しさよ」
 
 室町時代の連歌師山崎宗鑑が使い始めたという。<宗鑑はいづくへ行くと人問はばちとようありてあの世へといへ>。こんな辞世を残した風狂の人だから、少々品が下がるのも、またご愛嬌(あいきょう)
 
 試しに蕪村の句に付けてみる。<春の海終日(ひねもす)のたりのたりかな-それにつけても金の欲しさよ>。芭蕉ならどうか。<行春(ゆくはる)を近江の人とをしみける-それにつけても…>。まるで門外漢だが、これでよしとするには度胸がいりそうである
 
 東京市場の前週末の終値は1万8797円。ギリシャ債務問題進展への期待から買いが優勢で、実に2004年以来の高値となった。東京と同様に欧米でも株価が高騰している。日米欧の金融緩和であふれた資金が市場になだれ込んでいる。さて今週は
 
 持てる人はますます豊かに。持たざる人との差は開くばかり。株価は実力以上ともいわれるほど上昇している。対して地方には、アベノミクスの恩恵が十分に届いていない。金とは言わない。「それにつけても景気回復、その実感の欲しさよ」。字余り御免。