凶行は「アラー・アクバル(神は偉大なり)」の叫びとともに始まったのだという。日本人も犠牲になったチュニジアの博物館襲撃テロである
神にもいろいろあれど、罪もない人たちの血が流れ、喜ぶ神がいるはずはない。ましてイスラム教は16億人が信仰する、本来は穏健な宗教とされる。神はひどく悲しんだはずである
テロリストは、イスラム法に基づく国家樹立を目指す集団に属していたようだ。一歩でも近づいたか? こんなやり方、誰が支持してくれる? 疑問が湧いたことはなかったのだろうか
「犯人は預言者の教えを分かっていない」との一般信徒の声も聞こえなかったか。ごく身内にしか通用しない言葉と論理、行動は、過激派に共通する特徴だ。イスラム系だけでない。日本赤軍しかり、オウム真理教しかり
なのに若者の流入が止まらない。「アラブの春」の先駆けとなったチュニジアから3千人がシリア、イラクへ渡って戦闘を経験し、数百人が既に帰国したとされる。彼らをそこへ向かわせる何かがこの世界、確かに存在する
東アフリカのことわざにある。<指1本でシラミはつぶせない>。シラミはテロであり、不正である。教育に貧困対策。考えられる限りの方策を、先進国と途上国が手を携えて尽くさねば。2本の指で挟まないと、シラミはつぶれない。