プロ野球が開幕し球春たけなわ。4日には四国アイランドリーグplusも始まる。徳島インディゴソックス(IS)の活躍が楽しみだ
 
 開幕当初は、どんな名選手でもヒットを一本打つまで不安だという。「長嶋茂雄語録」(河出書房新社)からは、終身打率3割5厘、首位打者6回という名選手の苦しみが伝わる
 
 「野球で生活していくうえにおいてハッピーという言葉はない。毎日が苦悩の世界です」(1974年)、「たった一本のヒット、一本のシングルに賭けて、毎日毎日、歩き続けてきた男なんだ」(73年)
 
 “ヤマ勘打者”の評には「ヤマだけであの小さな球を打つことができると思うか。ヤマだけで三割を打つことは絶対できないことなんだよ。ただ球を無心で打つ、好球必打の鉄則で、ずっとやってきたんだ」(74年)と反論している
 
 長嶋さんが見たのは過酷な弱肉強食の世界の深淵だろう。天真爛漫(らんまん)な“チョーさん”らしい“長嶋語”もある。「歳はとるものじゃない。食うもの、つまり食べちゃうんだ。誕生日のたびに年齢をイートするんだと自分にいいきかせている」(72年)
 
 いわゆる一つの心の持ち方で、加齢をなくすというアイデアなのですね? チョーさん。リハビリの成功と長寿を祈ります。2年連続の日本一を目指す徳島ISも、自分との闘いに勝利を。