ごく私事で恐縮だが、昔、「ジャップが」と吐き捨てるように言った外国人と口論になって以来、「ジャパン」とはいかがなものかと思っている。ニホン、ニッポンという曖昧さはあるにせよ、「日本」という名があるではないか
見渡してみると、よそさまの都合で付けられ、世界に通用している国名はジャパンばかりではない。コリアしかりチャイナしかり
あの時を思い出し、英語帝国主義も極まれり、と憤慨していたら気が付いた。こちらも「グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国」を、これまた鮮やかに「イギリス」の一言で済ませている。お互いさまといったところもありそうだ
「グルジア」の場合はどうか。グルジア語では自国を「サカルトべロ」とつづるようだ。ジャパンに当たるのが英語表記で「ジョージア」、ロシア語で「グルジア」
2008年の武力衝突を機に対ロ感情が悪化している。ロシア由来の名称では面白いわけがなかろう。変更をとの声を受け、日本も「ジョージア」に改める。今もグルジアのままなのは、ロシアや中国など約20カ国しかなかった
旧ソ連の独裁者スターリンの古里が「ジョージア」とは、まだぴんと来ないものの、レイ・チャールズの名曲「我が心のジョージア」を聞いて、あれっ、コーカサスの風がという日も、そのうち。