<身の丈に合わぬ欲ならたんとある>(懸さだ彦)方だが、金運にはとんと縁がない。一つ勉強に、と手を出せば<わたくしが買った株だけ値が下がり>(西美和子)
 
 案の定といったところだ。家人が窓口にたどり着いたときは既に完売だった。「阿波とくしま商品券」である。にぎやかなことには万障あっても参加したいたちなので、自分でも何度か電話予約を試みた。ずっと話し中。早々に諦めた
 
 景気対策の即効薬とも期待されるが、税金のばらまきには違いない。もっと創造的な予算の使い道もあろう。買えなかった者の恨み節かと思われてもしゃくだから、それはさておく
 
 商品券騒動を報じた本紙朝刊社会面には、怒りの声があふれていた。そらそうだと思う。何時間も待たされた揚げ句、売り切れました、では腹の虫が治まるわけがない
 
 購入価格の20%分の特典が付いている。お得感は前回発行された地域商品券の倍。人気も出るはずである。県や商工団体はどんな想定をしていたのか。苦情が殺到したというが対応のまずさは否めない。買えた人と買えなかった人の不公平感は大きい
 
 全国津々浦々「お得」には目がないようだ。県が売り出した特典付き宿泊券「ふるさと旅行券」も完売したそうである。転売目的の不届き者もいるとか。こちらへの対処もお忘れなきように。