運動会の行進曲をいくつか思い出せば、一つは決まって「双頭の鷲(わし)の旗の下に」。と、までは断言しかねるが「タンタカターン、タンタカターン」のあの出だし、聞けば大抵の人がご存じだろう

 深紅やピンク、あでやかに咲いたバラを眺めつつ。徳島市は徳島中央公園の小道を調子よく歩いていて、ふと思った。分かれ道で、双頭の鷲ならどうするか。どうせ飛ぶのだ、関係ない、とはこの際なし

 頭は二つ。いつもいつも、ぴたりと気が合うのなら困りはしない。でも、行きたい方向がばらばらなら、たちまち身動きがとれなくなる

 二重行政とは、例えば双頭の鷲。そこでの大阪都構想である。府と市を統合し、頭を一つにすれば税金の無駄遣いが減る。これまで府市は、同じようなプロジェクトに、どれだけ税金を注ぎ込んできたか。根本から作り替えて、改革が進む体制にしようと推進派

 対して、今のままで十分対応できる。なぜに都構想が必要か、と反対派は主張する。その是非を問う住民投票は明日が投開票。市民の一票に大阪の未来がかかっている

 対岸の騒動に、県民の関心はさほど高くなさそうだが、いずれ徳島県にも重大な岐路がやってくるかもしれない。4月1日時点の推計県人口は75万9047人。地方の自治や自立を考える上で、現状の枠組みが最上とは限らない。