確かに、増えている。空き家の話である。散歩で住宅街を歩けば、雨戸やシャッターが閉まったままの家がやたらと目に付く。ここにも、あそこにもといった具合だ
 
 それもそのはず。全国にはなんと820万戸もの空き家があるという。徳島県内では6万4千戸。全国に比べると少ないようにも見えるが、住宅総数に占める割合は17%超と全国有数だ。防災や治安面で問題視されているものの、まだ増える勢いである。原因として、ここでも人口減少と高齢化が顔を出す
 
 わが家の周りにも、独り暮らしのお年寄り世帯が少なくない。近ごろ、姿を見掛けないなと思っていると、家人から高齢者施設に入所したようだと教えられることがちょくちょくある

そんなうちの1軒に、20~30の鉢植えが軒先に並ぶ家がある。小柄なおばあさんが住んでいたのだが、2、3年前にけがをしたか何かで入院して以来、空き家になったままだ

先日、通勤途中に何気なく目をやると、ゼラニウムが赤い花を付けていた。長い間、手入れをされていないので、花も少なく、葉もくすんでいて、決して見栄えは良くない

しかし、それだけに精いっぱい頑張った花の気持ちが伝わってくるようだ。ゼラニウム以外の多くの鉢植えも、春になれば新芽を付ける。あるじの帰りを待ち続ける姿が、何ともいじらしい。