「数十年に一度の大発見」だという。兵庫県南あわじ市の石材関連会社の砂山から、弥生時代前期-中期の銅鐸が、一度に7個も見つかった

 こんな幸運が、と思うが、考えられないことではないらしい。銅鐸の大半は人里離れた山や谷に埋められ、工事などの際、偶然、発見されてきた
 
 そんな具合だから、徳島県埋蔵文化財センターによると「本県にもまだ眠っている可能性はありますね」。徳島だってこれまでに43個、全国で五指に入る銅鐸出土県である。聞けばその辺の山も歴史の舞台らしい品が漂っているよう
 
 イザナギとイザナミの国生み神話の地。「古事記」が最初の国土と記す淡路島からは、見晴らしの良い海岸近くに埋まっていた今回の7個を含め、21個が出土している。海上交通の要衝にあり「航海の安全を祈って埋めたのでは」と推測する専門家もいる
 
 2千年前の淡路、阿波、畿内。いつ、誰が、何のために。謎だらけの青銅祭器が使われたのは約300年間。女王卑弥呼の登場直前に姿を消した
 
 さて、話は飛んで今から2千年後。銅鐸同様、地下に埋めるという放射性廃棄物はどうなっているか。四国電力伊方原発3号機がきのう、原子力規制委員会の審査に事実上合格し、再稼働へ一歩踏み出した。何のために、そんな判断を、と不思議がる人がいるかもしれない。