今や国民的スポーツの野球は、徳島県と浅からぬ縁がある。ベースボールを野球と訳した名付け親が、鹿児島県出身で元脇町中学(現脇町高校)校長の中馬庚(ちゅうまんかなえ)さんだ
中馬さんは第一高等学校(現東京大学)時代に二塁手としてプレー。1894年にベースボールを野球と訳し、97年に解説書「野球」を刊行した。1971年には野球殿堂入り
中馬さんの母校東大が、東京六大学野球春季リーグで法大を破り、連敗記録を94で止めた今季、もう一つの快挙が達成された。元鳴門渦潮高監督で1月に早大監督に就任したばかりの高橋広さんが、1季目で母校を6季ぶりの優勝に導いたのだ
主将の河原右京選手(大阪桐蔭高出)は南部中出身。優勝を決めた慶大戦では二塁打を放って勝利に貢献。「発する言葉が心に響く」と尊敬する高橋さんを男にした
高橋さんは春夏8度、甲子園に出場。鳴門工高監督時代の2002年春には準優勝した名将だ。甲子園から神宮へ、見事な転身ぶりに拍手を送る。還暦を控え、第二の人生を考える会社員らも、大いに勇気づけられたことだろう
甲子園や六大学での活躍を夢見る徳島の野球少年にも、舞台がぐっと身近になったのでは。折しも、地方創生元年、徳島が送り出した人材の活躍が、本県の政策コンセプト「vs東京」をPRする一助になるか。
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