戦後日本が大切に守ってきた「平和主義」の柱が取り除かれていく。いとも軽く、たやすく。罪もない鶏の羽をむしるように
安倍政権が進める安全保障法制の整備には違和感を禁じ得ない。国民が理解しにくい「事態」をクモの巣のように張り巡らし、時と場合に応じて自衛隊を海外に派遣する構えだ
衆院平和安全法制特別委員会の質疑では、はっとする見解が示された。安倍晋三首相が、集団的自衛権を行使する場合も「武力行使の新3要件」を満たせば専守防衛に該当するとしたのだ。首相の鶴の一声で、個別的自衛権行使に限った専守防衛の解釈を拡大してよいのか
「最後は数の力で押し切ればいい」。首相や閣僚の国会答弁には、そんな本音が見え隠れする。だが、第2次大戦の当事国である日本の急激な変化が、各国にはどう映るだろうか
首相は他国軍への後方支援に関して「新たな活動地域と従来の非戦闘地域は基本的に同じだ」と説明。「武力行使の新3要件が守られている限り、戦争には巻き込まれない」と断言した。鎧(がい)袖(しゅう)一(いっ)触(しょく)。どんな未知の危険も答弁一つで排除するのだから、勇ましい
それなら、年金情報の流出も、鶴の一声で、二度と起きないようにしてくださいね、安倍総理。国民の老後を支える年金の安全保障は、第1次安倍政権からの宿題だったのでは?
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