ご愛読いただいている松井今朝子・作、いずみ朔庵・画「料理通異聞」は19日で終了し、20日から安部龍太郎・作、正子公也・画による長編小説「家康」が始まります。2016年の家康没後400年を記念して、若き家康が苦難を乗り越えて戦国武将へと成長する物語を歴史時代小説の第一人者が描きます。
<作家の言葉>
「螺旋的」な人物、家康の成長物語を
信長は直線的、秀吉は多角的、そして家康は螺旋的だと思う。彼はどんな状況にもじっと耐え、状況が好転するのを待ちつづけた。見込みがあると思えば自分の命をつけ狙った者でさえ許し、10年後20年後に心を入れ替えて力量を発揮してくれる日を待った。そんな家康の成長物語を、彼を支えた家臣や女性たちを交えながら描きたい。
刺激的な若き家康像を
徳川家康と言えば「狸オヤジ」。そうした既存のイメージを覆し、それでいて「これぞ、家康!」と言われるような、みずみずしい家康像を、安部先生と阿吽の呼吸で描いていけたら、と思っています。熱く刺激的な、若き家康をご期待ください。
[作家の略歴]あべ・りゅうたろう 1955年、福岡県生まれ。久留米工業高専卒業後、図書館に勤務する傍ら、90年「血の日本史」でデビュー。2005年「天馬、翔ける」で中山義秀文学賞、13年「等伯」で直木賞受賞。「彷徨える帝」「関ヶ原連判状」「信長燃ゆ」など歴史時代小説の大作を続々と発表している。
[画家の略歴]まさご・きみや 1960年、岡山県生まれ。中央大理工学部物理学科卒。漫画家・寺沢武一氏に師事し、89年に独立。日本の戦国武将や中国古典「三国志」「水滸伝」などから題材をとり、歴史・武将画の第一人者として活躍している。代表作に「絵巻水滸伝」「戦国武将絵巻 IAPONIA」など。