天気も、サッカーのワールドカップ予選も、ヴォルティスも。これもかと思えば案の定、まるですっきりしない。安倍晋三首相と野党3党首の党首討論である

 3人で45分。これではどだい無理な話か。委員長は何度も注意した。「簡潔に」と。いえいえ、ここはもっと聞きたいところ。外野の不規則発言も慎んでもらいたかった。国の曲がり角なのである

 安全保障関連法案の「正当性、合法性には完全に確信を持っている」と首相。対して民主党の岡田克也代表は「憲法違反だ」。真剣勝負の幕が上がったところで終了とはやるせない。残る2氏はもっと短い。無制限とは言わないが、もう少し時間がとれないものか

 武力行使の絡む存立危機事態と重要影響事態、その判断基準を聞かれ、首相は「政策的な中身をさらすことになる。いちいち全てを述べるようなリーダーは海外にはいない」。でも、そもそも外国には憲法9条論争などないもの

 政権の判断で基準はどうにでも、といった懸念がある。数ではないというが、多くの憲法学者が違憲とする法案なのである。つまびらかに説明してもらいたい

 国を取り巻く安保環境が変わった。その通りだろう。だが縛られる側の政府の都合で憲法解釈を変えていいという法はない。「法の支配」を強調する首相なら、よくご存じのはずだが。